謹んで震災のお見舞いを申し上げます。
 
 平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震及び長野県北部 を震源とする地震で被害を受けられ た皆様に心より お見舞い申し上げます。
   私達学校関係者も、千年に一度という大惨事に対して心を一つにして、被災者の方々の今後の救援に取り組
んでいきたいと思っております。
  
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  松風塾生の横顔  その4
      ー変わる生徒の心の軌跡ー
                                              理事長 田澤昭吾
 
 3カ月ぶりの対面です。またまた原稿を書くのが遅れてしまいました。お詫び申し上げます。
 3月1日に37期生23名を送り出し、4月9日には新入生40期生21名(男子8名、女子13名)迎えました。3年生21名、2年生10名を合わせると計52名(男子22名、女子30名)で教育活動が新たに始まりました。
 教師とはいいもので、卒業式を終えると一抹の寂しさがありますが、新入生を迎えると、溌剌としたその姿に新鮮さを覚え、何か自然に活気づていくのが体感されます。こうした体験ができることに感謝です。3年後には、この生徒達が立派に成長していくように頑張ろう、という気が奮い立たされます。
   今回は、生徒の横顔をまた紹介します。前回の「松風塾生の横顔」は、男子生徒でしたので、今度は女生徒を紹介します。N君と同じ37期生で、羅臼から入学し、卒業していったN・Nさんです。卒業前に書いた作文(「私と信仰」)です。
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    私は松風塾へ来て、「自分を変えたい」と思った。3年間親元を離れて暮らすことで、自分自身をどれだけ成長させることができるか。辛いことがあっても、それに立ち向かっていけるだけの強さを身に付けることができるか。これが入学の動機だった。 私には、初めは信仰など全然なかった。本当の宗教の大切さをわかっていなかったからだ。でも寮生活をしていて、だんだんと見えざるものの思いに気付けるようになっていった。
    私の一番好きな言葉は「朋友」だ。最初、同期とは誰一人として知り合いがいなかったので、うまくやっていけるかどうか不安だった。しかし、今考えてみると、みんな集まるべくして集まり、出会うべくし出会った、大切な仲間なんだと思った。四六時中一緒に生活しているから、当然好きなものや嫌いなもの、癖、言いたいことなどがお互いに分かり合える、ただの友達とは言い難い何か特別な存在になっていた。そして、そこで、お互いに「祈りあおう」ということを学んだ。
  自分のためだけじゃな、相手のために何かをしたいという奉仕の精神、心遣いの心。同期がいたからそのような行動が自然に身に付いたのだと思う。
  印象に遺っている言葉は、「悪を憎んで人を憎まず」というM・K先生が仰った言葉だ。何があっても人を憎んではいけない、と諭され、深く胸に刻まれた。
   「あの人がどうとか……」というのは、争いや悪を引き起こすだけだから、「あの人が救われますように」と祈ることで、悪い心は浄化されるということを知ることができた。
    私にとって「信仰」とは、と考えると、「辛いとき・苦しいときに、正しい道を示してくれる教え」であると思う。
  私がどうしようもなく辛くて、人に打ち明けられない悩みがあった時は、自分でも無意識のうちに寮の礼拝室に行っていた。そして、お参りして一人でボーッと考え、神さまに「どうかお示しを」と心の中で唱えながらご神歌を引くと、まさに今の現状を表しているかのような言葉が書かれているのだ。「神さまって本当にいるのかな」とふと感じた時でもあった。そういうことを幾度か体験する中に、神さまの存在を実感するようになっていた。
    自分の人生を考えてみると、正しく生きてきたと断言することはできない。でも、過去は変えられないけど、未来は変えられると信じたい。だから私は、神さまに恥じない生き方しようと決意している。神さまを忘れそうになったら、またふと立ち返って「教のしづく」などを読む。信仰とはそいういうものでいいと、私は思う。
  最後に、私が三年間生きてきて最も強く感じられたことは、「人と人は支え合って生きている。人は支え合って人となる」と言う言葉です。正にその通りだと深く納得させられた。人として正しく生きようと、心からそう思えるようになった。
   この三年間は、私にとってとてもかけがえのない大切な思い出となった。どれだけ自分を変えられたかはわからないが、色々な角度から物事を見つめる心は体得できたと思う。これを先祖に感謝して、信仰を子孫へと受け継いでいき、やがて日本が平和な国になれるよう祈りたいと思う。
                                ○
   松風塾高校で三年間生活した心の軌跡です。松風塾高校の教育とは何か、ということを理解する一助していただければ幸いです。
                   (2013.5.28)