謹んで震災のお見舞いを申し上げます。
 
 平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震及び長野県北部 を震源とする地震で被害を受けられ た皆様に心より お見舞い申し上げます。
   私達学校関係者も、千年に一度という大惨事に対して心を一つにして、被災者の方々の今後の救援に取り組
んでいきたいと思っております。
  
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  自衛隊法を見直そう
      ー胸を張って邦人を守れる自衛隊員のためにー
                                              理事長 田澤昭吾
   
  1月31日の産経新聞、「主張」欄で、安倍首相は、アルジェリアの人質事件を受け、海外で邦人が安心して活動するために「必要に対策を全力で取り組む」と強調したことを取りあげていました。そして、自衛隊法が自衛隊による邦人救出を困難にしていると指摘し、その改正の必要性を主張していました。
   これと関連して1月30日の産経新聞「
正論」の欄で、帝京大学教授の志方俊之氏(軍事アナリスト)が、「邦人救出へ自衛隊法改正を急げ」と寄稿していました。
  そのレポートの要点を整理しますと、次のようになります。
(1)アルジェリアの人質事件で邦人十名が犠牲になりましたが、再びあのような犠牲者を出させないためにも自衛隊が救出活動できるように今の自衛隊法を改正すべきである。
(2)現行の自衛隊法では、海外で活動している邦人が危険な目になっても、救出活動が出来ないようになっている。自衛隊の行動は、あくまでも「輸送」であって「救出」でない。
(3)使用する輸送手段は、輸送機と船などに限定され、陸上輸送は想定外である。しかも、輸送活動の際には、@外務大臣の依頼が必要であること、A輸送の安全が確保されていること、B自衛隊の受け入れに関わる当該国の同意が必要であること。この三つの前提が満たされている時に限定される。
  この記事を見て、びっくりしました。邦人が海外で経済活動をして生命が危険な状態になるということは、その地域が危険な状態になっているからだと思います。そうした生命が危険な状態になっている場所で、どうして輸送の安全が確保されるでしょうか。輸送の安全が確保されるのであれば、そこは危険な場所でないわけでしょう。危険な場所でなければ、救出するために必要な輸送は必要ないわけでしょう。
  志方教授は、現自衛隊法に沿って邦人を救出するとすれば、次のようになると、仮説を立てて説明していました。
  「緊急避難すべき外国人の中で在外邦人がかなり多いと、現地の日本大使や領事、防衛駐在官は関係国の担当者と会談して、次のように交渉することになる

  日本の国内法で、自衛隊は安全が確保された地域での海空の輸送に限った任務しかなく、救出に当たれない。申し訳ないが、貴国の避難者を救出するついでに日本人も救出して安全な所(空港や港湾)まで運んでいただきたい。経費と礼金は必ず払う。そこから先の輸送は自衛隊が行う」。
  志方教授は、こういう交渉は「まるで小切手外交である」と叱責していました。こんな自衛隊法に縛られ海外で重要な役割を果てしている自衛隊員がかわいそうに思うし、これでは日本が情けなく感じます。
  志方教授の自衛隊法改正の叱責の声は、更に続きます。
    「輸送の安全が確保された場所で航空機や船舶を守るため、保護下に入った邦人などを航空機や船舶まで誘導する経路で襲撃された場合に限り、正当防衛・緊急避難として武器使用が許される。
    ところが、テロ集団と銃火を交え、自国民だけでなく日本人も救い出し、安全な場所まで警護してくれた諸外国の避難者が、空港などの別な地点で襲撃されているのを見ても、自衛隊は自国の避難者と保護下に入った者を経路中で守るためにしか武器を使用できない。恩ある国の避難者を見殺しにして国際的な顰蹙を買っても、である」。
  この記事を見て、びっくりしました。自分の身の安全しか考えていない日本の自衛隊法と、この身を挺しても避難者を救出しようとする他国の救出隊・軍隊の任務とでは、その崇高さが余りにも違いすぎると思います。
  日本が世界的に経済が活発になっていけば、海外で働く邦人の生命と財産を守ってやるのが国家の役割でありましょう。
  自衛隊法の改正を急がなければ、「第二、第三の人質事件はそれを待ってくれない可能性がある」とし、志方教授は、まず改正すべき喫緊の課題として、次の3点を挙げていました。
@輸送の安全の確保を避難措置の要件としないこと。A外国領内での陸上輸送も含めること。
B避難を妨害する行為の排除に必要な武器の使用を認めること。
    そして、「今回の人質事件は、それを悲痛な形で教えてくれた。参院戦などが理由となって、自衛隊法の改正が遅れることがあってはならない。国民の生命を守れない政治は政治でない」と、至誠・叱責の声を発していました。納得した玉稿でした。
                     (2013.2.25)