謹んで震災のお見舞いを申し上げます。
 
 平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震及び長野県北部 を震源とする地震で被害を受けられ た皆様に心より お見舞い申し上げます。
   私達学校関係者も、千年に一度という大惨事に対して心を一つにして、被災者の方々の今後の救援に取り組
んでいきたいと思っております。
  
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 「おむすびの心」から日本の使命を見る

                       理事長 田澤昭吾

 今年も秋の収穫祭を11月30日に、本校体育館「惜春堂」で行いました。
 生徒達は、惜春堂の舞台に備えたある神殿前に特設された祭壇に、白衣に身を包んで3年生の男女2名ずつの生徒が祭員となって献せんのお役を務めました。私は祭祀を務め、収穫の感謝の祭文を奏上させていただきました。厳粛な収穫祭でした。
   11月23日は、「勤労感謝の日」ですが、戦前までは新嘗祭という祭日でした。この日は、日本人は鎮守の森に集い、祭事の後、歌や舞を披露して盛大に、華やかにこの神事を守ってきたようです。
  生徒達は、春の育苗作業から、田植え、収穫に汗を流し、日本文化の基底となっているお米作りを勤労体験学習として実習してきました。収穫されたお米(餅米)は祭壇に奉安され、それが献饌等背は氏ユン道のこの日は、餅つきをし、それをいただきました。それが、この日の行事です。
  お餅の食べ方は、用意された砂糖醤油、きな粉、お汁粉、バター醤油、のり、大根おろしと納豆などを、銘々好きなものを搗きたてちの餅と一緒に頬張り、実に楽しそうに和気藹々と、収穫祭の一時を過ごしていました。
 餅搗きは、男子生徒、女子生徒の全員が体験します。杵で臼の餅を搗くのが初めての生徒にとっては、餅搗きもそう簡単ではないようで爆笑を誘う場面も度々でした。
 お餅に丸めるのは、女子生徒の役目ですが、男子生徒も参加していました。とても楽しい行事です。大和山のご本部からは、松華さまがお見えになり、一緒に餅を搗かれ、お餅も生徒と一緒に丸められ、生徒の思いで作りに心を砕いてくださいました。
  秋の稔りに、みんな感謝し、心から神さまと天地自然の恵みに感謝を捧げました一日でした。毎年、私は理事長講話で、大要次のようなことを話しています。
     「むすび」の思想という日本人の心に迫る
   日本人の人間観、日本民族の根源的な思想として、次のことが説かれている。
  「むすび・産霊」は、天地万物を生成発展させる霊的な働きで、「生む働き・創造する力」のことを指しています。
「むす」は、「生む・産む」のことで、「ひ」は、「たましい」の意味があり、神に通じる神聖なものです。そうして生まれたのが、男で「むすこ」と言い、女を「むすめ」と言ってきました。また、人は霊止・ヒトでもあります。男はも霊・ヒの止まったもので「ひこ・彦}、女は「ひめ・姫}とも言われて来ました。
 古来から日本人は、神さまの「みこと・命」を奉じた「みこともち・使命者」として、神さまの「むすび」の働きと、「なほび」(物事を正常に直す力)の働きをいただき、万物の修理固成(つくりかためなす)に励み、地上に「高天原」を実現してゆくべきものであると考えてきました。
 日本は、学校教育の場で、小学低学年層からこの日本神話をしっかりと教育すべきだと私は思っています。そこから日本人の国民教育を再生しなくては、日本に日本人がいなくなってしまうと危惧するからです。
    「むすび」で大切なことは、多くのものを一つに結び合わせるということです。つまり、「結び」は、多くのものを一つに結び合わせることをも意味します。つまり、多にして一であり、一にして多であるということで、小さな飯粒が大きく一つに結ばれたのが「おむすび」なのです。それは、小さな「いのち」が結ばれて、大きな「いのち」になったものと理解されていました。
    「お」とは敬語で、米は元来霊力があると信じられていましたから、「おむすび」は「いのち」に力を与える、霊力のある食べ物と信じられていたのです。
    「おむすび」または「握り飯」は、三角形の形をしていますが、民俗学者の柳田国男は、心臓の形をしているのが「おむすび」で、「いのち」の象徴であると言っています。
    団子も「おむすび」の一種で、個々の粒はありませんが、この場合の「結び」は連帯の極みで、「おむすび」以上に多くの米粒が完全に溶け合い結ばれ、一身同体になってしまっている形なのだそうです。
    団子は、生の米を潰して粉にして水で練って丸めて、茹(ゆで)たり、蒸したりして作ります。餅は蒸した米を練って作ります。
   鏡餅とは、鏡の形にまとめあげた餅のことで、神さまにこの形を供えます。
    餅にも個々の粒がないから、団子同様に、この場合の結びも連帯の極みで、「おむすび」以上に多くの飯粒が完全に結ばれて一身同体になってしまっていることを意味します。 つまり、団子にも、餅にも、「いのち」を「結び合わせ」たり、「力づけ」たりする霊力があると信じられていたわけです。
    そして、「むすび」は結び合わせる力ですから、私達の「いのち」は、その「むすび」の結晶・姿なのです。
    日本民族の世界史的使命は、世界を「結ぶ」ことにあります。東と西を結び、南と北を「結ぶ」ことにあります。そのための橋となり、柱となるのが日本民族の使命なのです。そうした働きを、「修理固成の使命」と言います。
    つまり、日本民族の使命は、神さまからいただいた「むすび」の働きと、「なおび」の力を発揮し、地上に高天原を実現することなのです。祖のために、修理固成(作り固め成すこと)の役割に努め励むことが日本人として生まれた大事な使命なのです。
  収穫祭では、このようなことを話させて貰っています。
                    (2012.12.6)