謹んで震災のお見舞いを申し上げます。
 
 平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震及び長野県北部 を震源とする地震で被害を受けられ た皆様に心より お見舞い申し上げます。
   私達学校関係者も、千年に一度という大惨事に対して心を一つにして、被災者の方々の今後の救援に取り組
んでいきたいと思っております。
  
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国が尖閣諸島国有化に動く
    
ー国民の反応は冷ややかー
                       理事長 田澤昭吾
  日本にとって8月は、平和を考える月だ。昭和20年8月6日は、広島に原爆が投下された日、9日は長崎に投下された。15日は日本歴史開闢以来、他国との戦争で敗戦を受諾した日でもある。
  今回は、その一つとして尖閣諸島問題について再度記す。
    7月11日の産経新聞に、尖閣諸島を国が購入し国有化する方針を地権者や東京都に伝えたという記事が掲載された。その記事によると、6日に長島昭久首相補佐官等が都庁を訪問し、石原慎太郎知事に尖閣諸島国有化の方針を伝えたという。すると、石原知事は、「今までのいきさつも相手の事情もある。東京がやるから黙ってみていろ」と返答したとのこと。地権者の家族も国の方針に対して「選挙を前にしての一部政治家のパフォーマンスでしょう。国は、永続的に責任を持った対応をしていただきたい。国は、地権者と石原知事との話し合いを静かに見守っていただきたい」という主旨のコメントを述べている。
  尖閣諸島に対する政府の方針が明らかになった7日から9日までに、都には電話やメールが相次ぎ、335件(電話150件、メール185件)の意見や問い合わせがあった。その約半数の166件は「国でなく都が購入すべきだ」だった。国の購入を支持したのはたった3件。日本の領土・尖閣諸島問題に対して国民は、政府を信頼していないということだ。
  都の発表では、「国が買うなら都への寄付金を返して欲しい」という意見もあったという。7月9日現在で、都に寄せられた尖閣諸島購入の寄付は9万819件で、総額13億4,146万8,279円だそうだ。
  尖閣諸島国有化の動きをキャッチした中国は、7月11日未明、中国漁業監視船三隻を尖閣諸島久場島の西北約22キロの日本領海に侵入させた。こうした動きに対して、同日、カンボジアで開かれていた日中外相会議で、玄葉光一郎外相は、中国の領海侵入に対して厳しく抗議した。しかし、中国側はこれに反論し、日本政府の姿勢を非難した。また、海上保安庁の巡視船が中国の漁業監視船3隻に対して退去を求めると、「本船は中国の海域で正当な公務を執行している」「妨害をするな。直ちに中国領海から離れなさい」「魚釣島を含む島嶼は中国の領土である」などと主張してきた。「ぬすっと猛猛しい」とは、このことだ。
  これらの報道で気になったことがある。
  その一つは、中国外務省の報道官が11日の記者会見で「釣魚島は古くから中国固有の領土で、日本の抗議は受け入れられない」との主張を繰り返し、今回の漁業監視船の巡航目的は「夏季休漁期間の管理を強化するための正常公務だ」と説明したことだ。夏季休漁期間とは、稚魚をまもるために漁を禁止する夏場の約2カ月あまりのことを指す。
  その二つは、同日に中国の国営新華社通信が尖閣諸島海域は「福建省、浙江省などの沿岸の漁民が先祖代々操業していた伝統的な漁場だ」と主張したことだ。
   これらの中国側の主張から、もしかして夏季休漁期間が終わったら数百隻以上の漁船が大挙して尖閣諸島海域にやってくるのではないか、と産経新聞で危惧している。
  坂東忠信著『日本が中国の自治区になる』(産経新聞出版)には、中華社会では「正しいことをするより、したことを正しいとするほうが利益確保の確実な方法である」と記してある。それが中華思想だというのだ。尖閣諸島を巡る中国の主張は、まさにこの中華思想そのままだ。
  領土問題については、ロシアのメドベージェフ首相が7月3日に北方領土・国後を訪問し、「ロシア固有の領土であり、一寸たりとも譲りはしない」「日本の反応などうでもよい」などと、挑発的発言をしている。しかも、この発言は、6月中旬の日露首脳会談で、プーチンロシア大統領が、北方領土交渉を「外交当局間で議論させる用意がある」と述べてから間もない頃の挙だ。
   昭和20年8月9日、日ソ不可侵条約を無視してソ連兵が満州に雪崩れ込み、後に日本兵捕虜65万人がシベリアへ抑留され、6万人が過酷な仕打ちで殺されている。(シベリア抑留者と死者の数字については諸説がある)北方四島は、ポツダム宣言受諾後の八月28日から9月2日までに、米国兵が居ないことを確認したソ連兵が雪崩れ込み占領し、今日まで居座っている。まさに火事場泥棒なのだ。それを強(したた)かにも、「北方四島はロシアの領土だから、一寸たりとも日本にやらない」などと、ドイツの公法学者イエーリングの言葉「一寸り領土を失っても黙っているような国は、全部の領土を失っても黙っている」を引用した如くに述べているメドベージェフ首相の厚顔無恥さには、呆れかえってしまう。また、憤りを禁じ得ない。
  しかし、国と国との領土問題は、力を背景とした発言がなければ相手に通じていかないという現実を、日本人はもっと真剣に受けとめなければなるまい。そうでなければ、近いうちに尖閣諸島、竹島(対馬も?)も、ロシアが為しているが如くに実効支配されてしまう、と危惧される。
  中国では、尖閣諸島は、「明の時代から中国の防衛区域に含まれており、琉球に属するものでなくも台湾の付属島嶼だった」と主張する。ところが、この度、石井望長崎純心大学准教授が、1561年、明から琉球王朝への使節として派遣された郭汝霖が、明の皇帝に上奏文を提出していることを調査で見つけ、その上奏文に「琉球」が銘記されていることを発見した。上奏文によると大正島は琉球の境界となっている。また、清の琉球使節、汪楫が道中で詠んだ漢詩に、現在の台湾の「馬祖島を過ぎれば福建省が尽きる」とあり、中国は自国の領域を大陸から15キロしか離れていない島までと認識していたことを発見した、と報じている。
  石井准教授は、「中国が尖閣諸島を領有していたとする史料がどこにもないことは判明していたが、さらに少なくとも大正島を琉球だと認識した史料もあったことが分かり、中国の主張に根拠がないことが一層明白になった」と述べている。
   こうした史料の研究により、尖閣諸島が日本固有の領土であることは明々白々となった。あとは、日本が中国の圧力に屈することなく、毅然とした態度で臨むだけのことだ。 
   因みに、東京都は、自然保護や海洋開発を念頭に「豊穣な海」「豊かな自然」をキーワードに尖閣諸島の活用策を検討する方針を表明している。政府は、こうした都の意向と連動させる形で活用計画を検討し、@豊かな自然の保護と漁業振興Aエネルギーや資源などの探査B経済・社会活動の基盤となる港など公共施設の整備などを想定しているとのこと。
  また、政府は、魚釣島、北小島、南小島を所有する地権者に3島の購入額として約20億円を提示したと、7月31日の産経新聞で報じている。しかし、地権者は面会に応じなかった。その理由は「政府に売却する考えはなく、都と交渉を進めるという地権者の意思表示だ」との見方を、交渉関係者は示している。
  いずれにしても、日本は、尖閣諸島は勿論、ロシアに対する北方四島、韓国に対しての竹島に対しても、もっと毅然とした態度で対応すべきであろう。
  日本人に誇りを持たせる国であって欲しい。
                                                (2012.7.31)