謹んで震災のお見舞いを申し上げます。
 
 この度の東北地方太平洋沖地震及び長野県北部 を震源とする地震で被害を受けられ た皆様に心より お見舞い申し上げます。
   私達学校関係者も、千年に一度という大惨事に対して心を一つにして、被災者の方々の今後の救援に取り組
んでいきたいと思っております。
  
              ○                                                          大震災のどさくさにまぎれた
  「火事場泥棒」を斬る
  (その3ー中国編ー)
                 
                     理事長 田澤昭吾
 
  『「火事場泥棒」という言葉がある。火事場のどさくさにまぎれて盗みを働く者、という意味だ』。前回と前々回は、この言葉の意味から、東日本大震災後、韓国が竹島の実効支配を強化してきたことに対する糾弾と、ロシアのイワノフ副首相ら5閣僚をはじめとする大型政府代表団が北方4島の択捉島と国後島を訪問したこと、及び領空侵犯すれすれの偵察飛行を実施してきたことに対する糾弾をしてきたが、今回はあの中国の厚顔無恥な暴挙を糾弾したい。
  3.11東日本大震災後の3月26日、南西諸島の東シナ海の日中中間線付近で警戒監視中だった海上自衛隊の護衛艦「いそゆき」に、中国の国家海洋局所属の海洋調査船搭載ヘリ「Z9」が急接近し、周りを一周するという挑発的行動をとった。「Z9」は、これと同じことを同7日に、別の護衛艦にも行っている。海上自衛隊の発表だ。
  更には、6月23日、宮城県・金華山の約330キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で中国の海洋調査船が約4時間もとどまっていたことが、枝野幸男官房長官の記者会見でわかった。中国の海洋調査船は、日本の海上保安庁巡視船の退去警告に対して、「海洋環境調査」だと主張し、とどまっていたもの。
  日本のEEZ内で他国の調査船が勝手に海洋調査だと言って行動することは、国際法違反である。このことについて、国際海洋法条約によると、EEZ内では沿岸国が漁業や海底資源の開発、管理などの権利を有すると定められており、中国の調査船が日本政府の同意を得ないで、「海洋環境調査」だと言って海上保安庁の退去警告を無視し、日本のEEZ内にとどまっているのは、日本の主権を無視した暴挙としか言えない。
  この暴挙は、昨年9月7日に、尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件が起きても、日本が中国に対して毅然とした対応が出来なかった不甲斐ない菅政権外交の、付けの代償だともいえる。こうした中国の暴挙は、今後益々多くなっていかなければ良いが、何故か不安の方が先に立つ。
  それにしても、東日本大震災被災地の沖合で、国際法を無視した暴挙を平然と行う中国の態度は、国民感情を逆なでするものだ。政府もマスコミも、もっと怒りをぶつけるべきであろう。ロシア同様に「静かな環境の下で協議していくことが望ましい」などと言っていると、いつの間にか、この海域は中国の海域だと主張されかねない状況下にあることを日本はもっと危機感を持ち、毅然とした対応をしてほしい。
  中国のこうした他国へのEEZ内への侵入は、尖閣諸島をはじめとする、フィリピン、ベトナムなど南シナ海上のEEZにも侵出し、中国覇権確立を急いでいるのだ。目的は、海底資源の独占だ。
  東シナ海・尖閣諸島海域には、世界第2位の産油国イラクに匹敵するといわれる推定約150億トンの石油埋蔵量と未来の燃料資源メタンハイドレートが大量に埋蔵されている可能性があると国連が昭和44年(1969年)秋に調査結果を発表した。
  すると、突如、同46年(1971年)に、台湾と中国が尖閣諸島の領有権を主張しはじめたのだ。それが今日の尖閣諸島問題だ。
  この度の宮城県沖の中国調査船の目的は、既に海洋研究開発機構が、この海域にレアアースや希少鉱物資源が大量に埋蔵されている可能性があると指摘したことから、その権益を確保するためだ、と言われている。つまり、第一陣の海底資源探査だということだ。それ以上に警戒すべきなのは、軍事作戦の海図製作も目的の一つだとも言われている。
  南シナ海は、天然ガスや石油資源が豊富で、しかも海上交通の要衝(ようしょう)だ。この海を舞台に、5月下旬、ベトナムの南シナ海EEZ内で、ベトナム探査船の調査用ケーブルが、中国監視船によって切断されるという事件が起きた。また、南沙諸島沖合では、中国艦船がベトナム漁船に対し、自動小銃で威嚇発砲したという事件もあった。
  また、フィリピン外務省は、5月末に、南沙諸島周辺で、中国の海洋調査船などが「領海を侵犯し、鉄柱やブイの設置を始めた」と訴えている。
  中国の海洋進出は、既に1970年代からはじまり、その海域を東シナ海から南シナ海、そして、太平洋と着実に進めている。海底資源の権益確保と海図製作の二本柱を中心にだ。
  自国のEEZと主張する海域では外国船を断乎排除する中国は、他国のEEZには平然と侵入する。そのために軍事力を益々増大させようとしているのが中国だ。傍若無人に他国の権益を軍事力を背景に実効支配してしまおうとする中国のやり方は、何としても許し難い。
  領土問題は、これくらいはいいだろうと思って対処するのを怠っていくと、いつのまにか「隣国によって1平方マイルの領土を奪われながら膺懲(ようちょう)の挙に出ない国は、その他の領土をも奪われてゆき、ついには領土を全く失って国家として存立することをやめてしまうであろう」(法学者ルドルフ・フォン・イェーリングの『権利のための闘争』より)のようになってしまうだ。このことを日本の政府与党・菅政権は、肝に銘じておくべきだ。                    (2011.8.18)