謹んで震災のお見舞いを申し上げます。
     
 この度の東北地方太平洋沖地震及び長野県北部 を震源とする地   震で被害を受けられ た皆様に心より お見舞い申し上げます。
        私達学校関係者も、千年に一度という大惨事に対して心を一つにし     て、被災者の方々の今後の救援に取り組
んでいきたいと思っておりま     す。
  
              ○                                                      大震災のどさくさにまぎれた
   「火事場泥棒」を斬る  
(その2)

   

                    理事長 田澤昭吾
 
  『「火事場泥棒」という言葉がある。火事場のどさくさにまぎれて盗みを働く者、という意味だ』。前回は、この言葉の意味から、韓国の竹島を巡る傍若無人の所業を指摘してきたが、今回は、ロシアのこうした所業を拾ってみる。
  3.11東日本大震災後の3月17日、ロシア空軍の電子情報収集機が、自衛隊と米軍の大震災後の共同対処の様子を偵察するために、北海道西方から北陸沖の日本海上空を飛行した。
  また、3月21日は、ロシア空軍の戦闘機と電子戦機が日本領空に接近してきた。ねらいは、日本側の防空対処能力を試すことに在ったようだ。
  大震災で自衛隊23万余人の中、10万人が被災者支援や復旧活動に当たっていることからしても、ロシア側の強(したた)かさがわかるであろう。何度も言う、国際政治の中で「諸国民の公正と信義に信頼」して平和が維持できるなどと戯言(たわごと)を言っているようでは、国民の生命と国土の安全など守ることが出来ないのだ。これらの出来事は、いずれも領空侵犯の恐れがあるため、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)で対応したことは、言うまでもない。
  ここで問題なのは、こうした領空侵犯の危機があっても、松本剛明外相は、何らロシア側に抗議しないことだ。もし領空侵犯しても抗議しないで、争うことは良くない事だからと言ってロシアの為すがままにしておくと、日本固有の領土である北方四島が終戦のどさくさにまぎれて乗っ取られてしまったのと同様に、ロシア戦闘機が日本領空を自由に往来するようになってしまう。そうなったら、鳩山由起夫さんではないが「日本の領土は日本だけのものでない」ものになってしまうこと明白だ。こんな独立国家・主権国家があろうか。
     これらのことについては、北沢俊美防衛相が、6月4日にロシアのイワノフ副首相と会談した際に何ら触れることなく終わり、ロシアが北方領土で軍備増強の動きを見せていることさえも抗議せずに終わっている。
  また、5月15日には、イワノフ副首相らロシアの5閣僚などロシア政府代表団が択捉と国後を訪問し、空港や道路、港湾などの整備状況を視察し、それらのインフラ整備の必要性などを話し合ったという。
  北沢防衛相は、勝手に日本領土である北方四島を実効支配してきたロシアが、今度はこれらの島々(択捉、国後)を訪問して、インフラ整備の必要性を話し合っているという傍若無人な振る舞いに対して、何の抗議もしないで会談を終えてしまっているというのは、なんとしたことか。
    ロシアのこうした北方領土の不法支配を固定化し、強化しようとしていることに対して、北沢防衛相は「両国は、静かな環境の下で協議していくことが望ましい」などと、「ノー天気」なことを言っているのだから、呆れてしまう。防衛と領土問題は、国家の安全を守るうえで譲ってはならない重要事項のはずだ。
  北沢防衛相のこうした発言などは、元はと言えば、菅直人首相が訪仏した5月27日に、ロシアのメドベージェフ首相と会談しながらも、ロシアの北方四島不法占拠に強く抗議することなく終わり、イワノフ副首相等の択捉、国後訪問に対しても間接的に遺憾の意を伝えた程度で終わってしまい、北方領土問題については日ロ間で「静かな環境下で協議を継続する」方針で一致したということが発想の土台にあったのであろう。だからこそ、北沢防衛相をして「両国は、静かな環境の下で協議していくことが望ましい」と発言させたのであろう。
   ところが、菅首相は「静かな環境下で協議する」という方針の一致で、良しと思っているらしいが、メドベージェフ首相はその後すぐさま、「ロシアは国益に基づき行動する」と領土問題では一歩も譲らない姿勢を誇示した。これでは、菅首相とメドベージェフ首相の領土問題に対する姿勢に天と地ほどの違いがあるということが、明明白白だ。
    領土問題で「静かな環境下で協議を継続する」などと紳士然とした態度で対処しても、最後は既成事実として実効支配してしまった方が勝ちということになりはしないか。北方四島は、既に昭和20年(1945年)9月から今までソ連・ロシアに実効支配され続けており、益々、実効支配が強化されようとしている。この事実に、日本はもっと敏感になる必要があろう。
    3.11の東日本大震災後のロシアは、表向き日本の復旧支援をしながら、領土問題では日本海上空で領空侵犯を迫ったり、国後、択捉に副首相ら5閣僚のロシア代表団を派遣し、インフラ整備計画を話し合ったりして、益々、北方四島不法占拠の実効支配を強化しにかかっている。「再び許すな、どさくさまぎれの領土の不法占拠を」、日本はこのことを声を大にして叫び、世論を喚起しなくてはならない。そして、この世論を国際社会へ広げていくことによって、初めてロシアに再考を促す足がかりとなろう。
  ところが、肝心の菅首相がその気がないからか、ロシアに対する遠慮ばっかりが目立ち、益々ロシアを増長させてしまっている。これではいかんのだ。あとは、次回に続けよう。
                                                (2011.7.27)