謹んで震災のお見舞いを申し上げます。
     
 この度の東北地方太平洋沖地震及び長野県北部 を震源とする地  震で被害を受けられ た皆様に心より お見舞い申し上げます。
        私達学校関係者も、千年に一度という大惨事に対して心を一つにし     て、被災者の方々の今後の救援に取り組
んでいきたいと思っておりま     す。
  
              ○                                                      「復興の狼煙(のろし)」のポスターから  罹災者の雄叫びを聴く
   

                    理事長 田澤昭吾
 
  6月22日、TBSの「みのもんたの朝ズバッ」で、「復興の狼煙」ポスターが紹介された。ゲストの一人に元巨人エースで野球解説者の槙原寛己さんが出演していた。
   朝、登校前の7時40分過ぎ頃からだったと思うが、東日本大震災の被災地・釜石、大槌の罹災者が瓦礫を背景にそこに立ち、想いを11文字にコピーしたポスターが画像として映し出された。思わず、その映像に引き込まれてしまった。番組は、ポスターに映された罹災者を取材し、復興に賭ける想いを映像を通して伝える構成で、視聴者を釘付けにし、出演したゲストの涙顔をもそのまま映し出していた。私も、朝から感動の涙に濡れ、登校した。
 登校してからインターネットで「復興の狼煙」ポスタープロジェクトを開き、ポスター製作者の心を訪ねてみた。
そこには、何かできないか?という一心で釜石を向かった一人の盛岡人がいた。釜石では、同じ想いで盛岡から釜石に来たカメラマンと出会った。彼らは、行動を共にし、釜石で様々な想いを内に秘めながらも、前を向いて歩み始めようとしている人達と出会った。そんな小さな偶然の出会いから、「復興の狼煙」ポスターのプロジェクトが始まった。
 盛岡人達は、「私達の想いを伝えて欲しい」という釜石人達の切実な願いに触れた時、自分達で出来ることを見出した。そして、すぐ動き出した。「本当に釜石の人達の想いを伝えられるだろうか」という大きな不安を抱きながらではあったが、動かずにはいられなかったという。写真撮影は、盛岡に住むフリーカメラマンの馬場龍一郎さん、ポスター製作は盛岡市の広告会社で自力で印刷した。
 千年に一度といわれた大地震・大津波に遭遇した罹災者は、すべてを津波に飲み込まれ、壊滅状態に陥らせられたが、そのどん底から這い上ろうとしていた。罹災者達の、そうした魂の叫びに触れ、彼らは動き始めた。釜石人達は、「なめんなよ、釜石人を、大槌人を」と、言いながら、動き始めていたのだ。
  釜石で出会った盛岡人達は、その魂の叫びをポスターにし、彼らの這いつくばっても生きて、消えた町を、壊滅した自分達の生活を復興させようと動いている姿と声を、「自分達でも出来ること」として見出し、多くの人達に伝えていくために、すぐに行動に移した。無我夢中だった。それが、「復興の狼煙」ポスターとなったのだ。
 みのもんたさんが「朝ズバッ」で紹介したポスターのコピー「心まで壊されてたまるか」は、直に心に響いた。胸に迫ってきた。「諦めるな、と帆立が言う」というコピーと共に、罹災当事者が帆立の養殖に取り組んでいこうとしている姿が映像で流れた時は、ジーンと来てしまった。
 「しおれちゃ男がすたる」というコピーは、這い上がっていこうとしている、こちらの方が勇気づけられた。「前よりいい町にしてやる」というコピーには、頑張れ、頑張れ、と涙と共にテレビに向かって声を掛けていた。
 「野球がしたいです。神様」と野球道具を流されてしまった中学三年生のコピーは、本人が真剣に瓦礫の中でバットスイングの練習をしている姿と共に映し出され、槙原さんも思わず嗚咽となって顔を両手で覆ってしまった。その様子がそのまま画面に映り、私も共感し顔中、涙で濡れてしまった。
 学校へ来てから「復興の狼煙」ポスターをインターネットで開き、被災地・釜石の罹災者のポスター探し出した。18枚のポスターが製作されていた。そのどのポスターにも、「 一緒に悲しむことよりも、あなたの仕事を一生懸命やってほしい。それが沿岸を、岩手を元気にする力になると思うから。」と、写真の左側に印刷されていた。心に染みた。そして、一枚一枚に、被写体当事者の声がコピーされていた。
 高校では、6月24日金曜日、朝会でこのことを話題にし、「今できること、やらねばならないことを一生懸命やろう。それが、被災地に居る人達への元気へと繋がっていくのだから」と呼びかけた。
 生徒達は、2度の本部主催の街頭募金に参加し、青森市新町で被災者への義捐金協力を呼びかけた経験者だ。また、本部神集閣大ホールなどで、全国の信者さんから寄せられた支援物資の仕分け作業にも、週一度の割合で参加させて貰っている。自分達で出来ることを通して、罹災者への支援を続けさせて貰っているから、ポスターに印刷されているコピーから、被災地罹災者の声を心に聞くことが出来ると、と思って話させて貰った。
釜石の罹災者の「復興の狼煙」ポスターのコピーは、次の通りだ。一つひとつのコピーから、罹災者一人ひとりの魂の声を聞き取って欲しい。
  「前よりいい町にしてやる。」「大笑いできるその日まで。」 「未来に胸張れるよう。」「心まで壊されてたまるか。」 「仲間は力だと、わかった。」「かわりに気づいた宝もの。」 「しおれてちゃ男がすたる。」「夢は勝つ。かならず勝つ。」 「埃も泥も、思い出にする。」「もうふざけんじゃねえぞ。」 「かじりついてどこまでも。」「ため息をつかないと決めた。」 「諦めるな、と帆立が言う。」「被災地じゃねえ。正念場だ。」 「瓦礫を踏み台にする。」「野球がしたいです。神様。」 「悔し涙は、嬉し涙にする。」「そして絆は家族になった。」
  次は、大槌の罹災者の魂の叫びだ。どのポスターにも、「 どうか健やかに、どうかあせらずに、どうか、一人一人が見つめ合って、町がきらきらと甦るその時は、きっといつのまにかやってくる。」という一文が印刷されていた。ポスター一枚一枚に記された魂の叫びのコピーを紹介しよう。
  「此処でなきゃ駄目なんだ。」 「これからを、取り戻す旅。」「余計な言葉は無くてもいい。」「甘くみるなよ、大槌人だ。」「それでも今日も海を見る。」「あの日と闘い続けて行く。」「チョー悲しくなんかない。」「忘れたいけど覚えておく。」「頑固者の、出番のときだ。」「ひとつひとつ咲かせるよ。」
  釜石、大槌の罹災者の「復興の狼煙」ポスター一枚一枚のコピーは、すべて胸に響いてくるものばかりだった。「頑張れ、東北」「頑張れ、日本」。自分で出来ることを、息の長い支援活動として倦むことなく続けていこう。                      (2011.7.4)