謹んで震災のお見舞いを申し上げます。
     
 この度の東北地方太平洋沖地震及び長野県北部 を震源とする地  震で被害を受けられ た皆様に心より お見舞い申し上げます。
    特に松風塾高等学校の在校生、卒業生及び保護者の方々、及び関  係者で被害を被り、 ご家族でお亡くなりになられた方々に対して、ご   冥福を心からお祈り申し上げます。 
    亡くなられた方々の思いに心を重ね、故人の分まで゙生き、故人と共  に生き、これから の人生を希望を持って歩んでいかれることを心から  祈念申し上げます。
    私達学校関係者も、千年に一度という大惨事に対して心を一つにし     てその克服に努め、被災者の今後の救済に取り組んでいきたいと思        っております。

              ○                                                            心の陶冶のために (9)

                                          理事長 田澤昭吾
 

    情けあれなべてを愛に生かしめよ 
              草にしぐるる露のごとくに
               
          (大和山神歌203番)
                             〈その3〉
  第38期修業生22名の入学式が4月9日に、惜春堂で行われた。今年の新入生は、平成7年(1995年)に起きた阪神・淡路大震災の年に生まれた生徒達で、その生徒達が東日本大震災が起きた年に松風塾高等学校に入学してきた。
  このことの報告を受けたのは、入学式を終えた後だったので、不思議な巡り合わせを感じた。
 というのは、理事長告示の中で、私は、次のことを新入生に述べた。
  「新入生38期生の皆さん、皆さんが松風塾高校に入学してきた今の日本は、千年に一度という、未曾有の大地震・大津波で、数多の尊い命が奪われた直後であります。
 それだけに、皆さんは、祖国日本の厳しい国難を克服し、新たな日本の建て直しに努めていかなければならない大事な役割を、神様から課せられて入学してきた生徒達だと思っています。この不可思議な縁を深く悟り、自覚を深めて下さい。使命感を奮い立たせて下さい。
  そこに、悔いのない高校生活が待っているでしょう。
  これからの高校三年間は、日々、神さまに祈りを捧げながら、博く勉学に努め、スポーツにも熱く燃えて頑張ってください。寮生活では、共に生きることを学び、生きる力を高めて下さい。そして、器の大きい人間、日本人に成長し、親御さんの期待に応えてください。
  鉄は熱いうちに打て、です。
  今、傷つき、疲弊している日本を甦らせ、再び輝かしい日本となるために働く青年に成長してくれることを期待し、理事長告示とします」。
               〇
  テレビで放映された宮城県避難所の様子に、「町の小学生が遊んでいる声が聞こえると、それだけでお年寄り方は元気を貰う」と言っていた映像があった。
  この事は、だんだん年を重ねていくと、実感として理解できるように、私もいつの間にかなっていた。本当にそう思う。
  家内がお山の保育園で働いていたとき、園児達の遊ぶ声を聞くと、無性に可愛くて、抱き上げたくなったものだ。「順子先生のお父さん」と言って寄ってくる子供達を一人一人抱きしめてから、「高い高い」と両手で抱き上げると喜んでくれる。
    ほんのひと時の子供達との戯れだが、それがホッとして、疲れが癒される気分になったものだ。子供達の元気に遊ぶ姿と声は、還暦を過ぎた者にとっては、確かに元気の元である。
   五光館3階には、一歳から二歳の子供達の声が賑やかに谺することが間々ある。その無邪気な声は、微笑ましく、心を和ませてくれ、周囲を明るくしてくれている。
  子供達の声が、社会を勇気づけ、明るくしてくれているいうことからしても、今回の大惨事の国難を乗り越えるには、次世代の子供達が大人になるにあたって、自分達が将来の日本をしっかり守っていこうと自覚をもって勉強していけば、日本は必ず甦っていく。そう思って、その期待を寄せて新入生を迎えさせていただいた。
    子供は、国の宝だ。その子供達が夢を抱き、理想をもって勉強できる環境作りは大人の責任だ。それは、公私を問わず、学校教育の責任でもある。
    東日本大震災を通して甦った日本人の、他者に対する思いやり、秩序を重んじる規範意識、助け合いの心、親兄弟姉妹の家族愛等々、善意による共生の精神が日本を席捲し、被災者を救え、被災地の復興を助けようという声が、大きな渦となって沸き起こっているのが今の日本だ。
   今こそ、子供達に将来の日本再建を託した教育が喫緊の課題だ。そこに真の道義国家・日本が生まれよう。
                    (2011.4.18)