謹んで震災のお見舞いを申し上げます。
     
 この度の東北地方太平洋沖地震及び長野県北部 を震源とする地  震で被害を受けられ た皆様に心より お見舞い申し上げます。
    特に松風塾高等学校の在校生、卒業生及び保護者の方々、及び関  係者で被害を被り、 ご家族でお亡くなりになられた方々に対して、ご   冥福を心からお祈り申し上げます。 
    亡くなられた方々の思いに心を重ね、故人の分まで゙生き、故人と共  に生き、これから の人生を希望を持って歩んでいかれることを心から  祈念申し上げます。
    私達学校関係者も、千年に一度という大惨事に対して心を一つにし     てその克服に努め、被災者の今後の救済に取り組んでいきたいと思        っております。

              ○                                                            心の陶冶のために (7)

                                          理事長 田澤昭吾
 

    情けあれなべてを愛に生かしめよ 
              草にしぐるる露のごとくに
               
          (大和山神歌203番)
  インドのカルカッタに「死を待つ人の家」という施設がある。カルカッタの路上生活者は四十万とも言われ、毎日幾人かが飢餓と衰弱によって路上に倒れたまま死んでゆく。マザー・テレサは、そのような路上生活者をホームに運んでは介護し、天国へおくってやる。
  マザー・テレサはいう。  「私たち人間にとってもっとも悲しいことは、 貧しかったり、 病気やおなかをすかして死ぬことではない。  本当に悲しいことは、貧しかったり、病気だったりするために、誰からも相手にされないことです。みんなから捨てられて、自分はこの世にいらない人間だと思いこむことです。この世で一番悪いことは、そういう人に対する思いやりや愛がたりないことです」と。
   マザー・テレサは、運ばれてきた老人のよごれた体を洗い清め、手をしっかりと握り、「あなたも、私たちと同様に神様に望まれてこの世に生まれてきた大切な人ですよ」と語りかけ、スプーンでスープを口に運んでやる。老人は、目に涙をいっぱい浮かべ、その涙が頬を濡らしたとき、「あ・り・が・と・う」と言って、静かに息を引き取り、天国に行った。周囲の人を愛の心で生かすのだ,というみ神の声を聞く人の一人でも多かれと祈られる。
         ○       ○       ○
   3.11東日本大震災から24日経った。政府もその復旧につとめ、対策を講じているが、まだ復興の目処が立たないのが現状のようだ。そうした中で、災害派遣医療チームが官民一体となっての救助作業が行われるなど、ボランティアの人達の働きが被災者の人達を勇気づけている。 日本人の情の深さが、いざといときに現れ、善意の輪の連鎖反応が素晴らしく広がっている。テレビの報道もボランティアで被災者の人達のために奉仕する声を紹介し、日本中が今「頑張れ日本、頑張れ東北」という声で満ちている。
  大和山本部でも支援部隊を編成し、被災地に支援物資をもって派遣した。その映像を見させていただいたが、被災した信者の方々の喜ぶ姿が目に焼きつくほどだった。地獄に仏を見た、という喜びと感謝の思いが映像から伝わってきた。今置かれた場所で出来ることを協力させていただきたいというのが、大和山本部に住む人達の偽らざる心境だ。
  そうした、「今、自分で何かできることを被災者のために尽くさせていただきたい」という心が日本列島を包み、その善意を引き上げている達の活動が、いたる所で展開されている。そして、そうした皆さんの真剣さが、マスメディアを通じて伝わってくる。
  地元紙に掲載された「がんばろう東北」の声を紹介しよう。
  「日々出来る事がないか考えて生活します。被災者の皆さん、辛いでしょうが皆さんには世界中の人の支えがつています。今を精一杯生きましょう。みんな一つになればなんでも出来ますよ」。三沢に住む17歳の女子高校生だ。
  「親しい方の安否がわからない方や、一瞬で街・家・思い出が失った方の事を思うと涙がでます。今は募金位しかできませんが、応援してます。がんばれ東北。そして日本」。宮崎県からで、42歳の男性会社員です。
  インターネットから拾った「ホームレスの段ボールに感動」という次の声もあった。 
   「非常事態での日本人のモラルに感動」いうタイトルで、「ホームで待ちくたびれていたら、ホームレスの人達が、『寒いから敷けッ』て段ボールをくれた。いつも私達は、横目で流してるのに。あたたかいです」。地震で駅が大混乱しているときに見た一つの光景だという。
  「日本って凄い」という見出しの投稿者は、「日本って凄い。官僚も民間も、皆で助けようとしている。トラックの運転手も有志で物資を運んでいるらしいし、東北の交通整備をヤクザさんがやっているという話しも聞いた。
  最近、日本に対して誇りを持てないことが続いていたけれど、そんなことはない。日本は凄い国だ。素直に感動している。日本国の皆さん頑張ろう」と、書いていた。ヤクザさんも粋なもんですね。本当に凄いと思う。
  「外国人から見た日本人」というタイトルで投稿した一文には、「物が散乱しているスーパーで、落ちているものを律儀に拾い、そして、列に黙って並んでお金を払って買い物する。運転再開した電車で混んでいるのに妊婦に席を譲るお年寄り。この光景を見て外国人は絶句したようだ。本当だろう、この話。すごいよ日本」とあった。感動した。礼節と規範意識(秩序を重んじる心)を重んじてきた日本人の心が、イザッ、というときに甦ってきた、と思った。
 市民を守るために殉職した警察官は、11人だった。津波にさらわれた子供を必死に捜す母親の姿もあった。
  宮城県南三陸町では、津波の来襲を放送し、「6メートルの津波が来ます。避難してください」と高台に非難するように必死に叫び続けた防災放送の担当職員遠藤未希さん(24)の安否がいまだ不明だという。でも、この彼女の放送で多くの人達が助かった。まるで、現代版「氷雪の門」のようだと思った。
  宮城県名取市立第二中学校では、生徒達やOBがボランティア組織に起ち上がり、若い力が被災者達を元気づけているという。被災者のお年寄りは、「家や故郷を失ったことは心細くてたまらなくなるが、生徒達が話しかけるとホッとする」と話していた。
  自衛隊による被災者支援活動は、黙々と行われ、その本気度に米軍が鼓舞し、大規模な支援を買って出た。自衛隊員の快挙だ。
  被災者支援に取り組んでいる多賀城駐屯地の陸上自衛隊は、「自衛隊しかできないなら、危険を冒してでも黙々とやる」「国民を守る最後の砦。それが吾々の思いだ」と述べていた。心強いと思った。
   日本の復興を信じて救援活動に当たっている米海軍第七艦隊の隊員達は、「日本は逆境を乗り越え、立ち直る強さを持っている」と述べていた。
    頑張れ、ニッポン!。頑張れ、東北!。今できることを、それぞれの生活の場で行っていこう。
     
大和山神歌1339番 
       いささかの雫(しすく)も谿(たに)の流れなり 
               協和(むすび)てゆかん人の力も
  むすんでいこう、日本人の善意を、まごころを。                                    (2011.4.4)