謹んで震災のお見舞いを申し上げます。
     
 この度の東北地方太平洋沖地震及び長野県北部 を震源とする地  震で被害を受けられ た皆様に心より お見舞い申し上げます。
    特に松風塾高等学校の在校生、卒業生及び保護者の方々、及び関  係者で被害を被り、 ご家族でお亡くなりになられた方々に対して、ご   冥福を心からお祈り申し上げます。 
    亡くなられた方々の思いに心を重ね、故人の分まで゙生き、故人と共  に生き、これから の人生を希望を持って歩んでいかれることを心から  祈念申し上げます。
    私達学校関係者も、千年に一度という大惨事に対して心を一つにし     てその克服に努め、被災者の今後の救済に取り組んでいきたいと思        っております。

              ○                                                             心の陶冶のために (6)

                                          理事長 田澤昭吾
 
    吹雪せる野路(のみち)をゆける人のみに 
       道の燈(ともし)は生命(いのち)とやなる
         
                                     (大和山神歌三番)
    み神は、その人に乗り越え得ない試練は与えない、とも言う。「神よ我に試練を与えたまえ」と祈った武将もいたと聞くが、「人生は錬磨の修道場」と心得て生きることは、信仰者の眼目でもある。艱難汝を玉にす、だ。
    人の一生は重荷を背負って坂道を上るのと同じだ、と言ったのは徳川家康だが、人にはその人なりに背負って生きるべき重荷があり、それを受けとめて生きてゆくのが人生だ。
    み神は、「苦しみは避くるな人よ避けんとす心はすでに悩みなりけり」と教え、「いかならん重荷も神と半ばして祈りの人は負うぞやすけし」と優しく呼びかけて下さっている。このみ神の呼びかけに心をまかせ、たくましく、明るく、み神と共に歩む人でありたい。
   「人生の舟は、何に向かって進むべきか。栄誉か、富貴か。否。その羅針盤が示すところの永遠の希望、不滅の輝き、永遠の海に漕ぎ出て行け。さらば、総てのものが得られようぞ」ともみ神は教えてある。そして「渺々たる大洋、逆巻く潮の海路」の人生の荒海の中で、「この神島にまさる地ぞなき」とも断言下される。
    勇気をもって、み神への祈りと共に、人生の荒海を漕ぎ出でてゆく人となろう。
            〇      〇     〇
  東日本大震災は、3月25日午後6時現在で死者10,066名、行方不明者17,452名と警視庁は発表した。先週(20日現在)から比較すると、死者が1,867名、行方不明者が4,730名増えた。
  3月11日の東北地方太平洋沖地震発生から16日経過した被災地の現状は、テレビ報道でしか知るよしもないが、その大惨事の様子は、悪夢のようで、信じがたいものだ。しかし、現実なのだ。
  この度の津波の伴った震災の惨状は、日本歴史上千年に一度のものであると、テレビで報じられたように、未曾有の出来事だ。
  松風塾高等学校では、松緑神道大和山本部主催による東日本大震災救援活動として行った街頭募金に参加し、3月の26日、27日の2日間、生徒達が街頭に立った。4月2日、3日にも大和山本部が実施するので、その時も参加させていただく予定だ。特に、3日は、4月9日に入学式を迎える38期生22名の新入生が街頭に立ち、被災者救援の募金活動を行う予定だ。「届け被災者へ、高校生の真心が」という思いで参加する。
  東日本大震災には、海外からの援助隊・義捐金も数多くあった。3月13日現在では、アメリカを始め、オセアニア2カ国、欧州の独、仏、英、スイスの4カ国、トルコ、ロシア、中国、韓国、シンガポール、タイ等から援助隊が来日し、救援活動に当たってくれている。
  国連は、「日本は今まで世界中に援助してきた援助大国だ。今回は、国連が全力で日本を援助する」と発表した。外務省は、50カ国から支援の申し出があったと発表した。日本の自衛隊を主としたこれまでの海外支援活動の歩みが、日本国難の時に、各国から「日本を救え」とい声と共に支援の申し出がワッと挙がってきたのだ。日本人の一人して感謝に堪えない。 
  国内でも、今こそ国難の時だと、全国的に救援活動が展開され、救援物資が被災地へ送られている。義捐金も赤十字を始めとして数多くの団体が呼びかけ、全国的な規模で協力者が広がっている。日本は、今、この国難に当たって、特に若い世代を中心に国民が挙って被災者救援に、起ち上がっている。国民一人一人が自分で出来ることを見出そうとして、その出来ることを通して救済に起ち上がっているのだ。頑張れ、日本!
  松風塾同袍会では、被災地の松風塾高校在校生に対する就学支援募金活動に立ち上がり、いま裾野を広げつつ展開されている。各期の同期が独自にネットワークを作り、被災地の同期生や被災者の救援に取り組んでいるようだ。
  しかし、こうした善意の動向の間隙を突いて悪事を働く輩も出没してきたことが報道された。許されるべきことでない。神よ、そうした輩の行動を封じ込めてください、と熱願・祈願された。
  海外のマスコミは、被災地での日本国民の秩序ある行動を高く評価し、驚異の目で称賛した。海外からネットに寄せられたメールは、世界各国からといって良いほどで、励ましのエールが数多送られている。只々感謝である。
  そうした動きの中で、同じ日本人が、同胞である国民の弱みにつけ込んで悪事を働くことは、断じて許せないことだ。
  「吹雪せる野路(のみち)をゆける人のみに 道の燈は生命とやなる」の御神歌の如く、日本の今は、吹雪で先が見えない野の道を、国難を、難儀しながらでも正しく歩いていこうとする人によって、祖国日本の道徳が守られ、日本の新たな運命が拓かれていくであろう。
  道を同じくする私達は、大和山の教えを心の鎧とし、その一人となっていこう。それが、私達の為せる業だ思う。
 思いを、被災で亡くなった故人に寄せ、誓い。そして、遺された家族や、津波で何もかもが飲み込まれ、持てるものすべてを失った被災者の上に馳せて、再び不死鳥の如く日本が立ち直り、甦っていくことを信じて、希望という光を信じて、心の連帯を・絆を力にしながら前に向かって進んでいこう。そこに必ず、被災地の、日本の新たな道が開かれていくはずだ。
   最後に、一通のメールを紹介させていただこう。これは、義姉(あね)に長女のご主人から寄せられたもので掲載の許可を得たものである。
    「地震・津波・雪・強風・寒さ…自然は中々厳しく、被災者にもこ容赦ありません。そんな中、今日は、一人救助という嬉しい報せもありました。しかしながら、まだ数千人と言われる行方不明者がいます。遺体安置所も二カ所が満杯です。まさに、地獄のような光景ですが、ここで人々の為に貢献できることを誇りに、頑張ります。
  色々悩み考えましたが、今、凄惨な遺体を目の当たりにしても、『神様の元へ』と思い、直視して手を差し出せるのは、お母さんたち家族と、大和山と会えたからだと思います。
  ありがとうございます。まだまだ復興は時間がかかります。自衛隊も長丁場を想定し、交代しながら支援します。
     ジプチ派遣から災害派遣と、家族に支えられ安心して出発できるのも、妻の存在は大きいです。それは、亡きお父さんを送り出すお母さんを見て覚えたのだと思います。
     明日は、一時帰宅する予定ですので、鋭気を養い頑張ります。
    いつも、お気遣い有り難うございます」。
 
 心に染み入る一文でした。ありがとうございました。                        (2010.3.28)