挨拶と「ありがとう」の言霊は、世の浄めの力となる             

 朝会が始まる前に、生徒が「おはよう」といって太陽堂へ入ってきました。すると、既に椅子に座っている生徒がそれに呼応して、「おはようございます」と大きな声で挨拶を交わし合っていました。その様子を見ながら、とても爽やかな気持ちになりました。挨拶を交わし合うというのは、とても人の心を爽やかにしてくれるものだと改めて実感させて貰いました。なんだか気持ちがパーッと明るくなり、心地良さが心に広がっていきました。
 ここは生活共同体ですから、いつも一緒に生活している人同士の集まりです。ですから互いに馴れてしまって挨拶も粗雑になってしまいがちですが、改めて今日の皆さんの挨拶を見て、馴れた人同士の間柄こそ互いの挨拶が大切なんだと感じました。
 挨拶というのは、人と人との真心をお互いに引き出し、お互いの信頼関係を確認しあう大切な礼儀作法です。
 挨拶というのは、仏教用語だという本を見たことがあります。挨拶の「挨」というのは、相手の心にぐっと近づいて行くこと、「拶」は相手の仏性・真心を引き出すこと。ですから、挨拶というのは、相手の心に近づき、仏性・真心を引き出すことだというのです。仏教徒にとっては、挨拶は大事な修行の一つなのです。
 本校では成田博昭校長先生が、礼節日本一を目指し、皆さんに挨拶の励行を指導しています。皆さんの高校生活の場は、礼節を身につける訓練の場でもありますから、普段の挨拶がしっかり身につくように、心のこもった挨拶の励行に努めて下さい。皆さんが社会人になったとき、松風塾で身につけた挨拶が職場で自然に発揮できれば、職場の信頼を得ていくことになると思います。挨拶は、職場の雰囲気を明るくさせていくし、信頼関係を醸成していくことにもなります。
 以前、青森市のA短期大学に入学したK・Nさん(三十二期生)は、明朗快活な生徒でしたが、A短期大学へ行っても、松風塾にいた時と同じように周りの人達に挨拶をしていたそうです。最初のうち、学生達はその挨拶に何の反応もなかったようです。しかし、Kさんは挨拶の声掛けを続けたそうです。その内、声を掛けられた学生達は、「おはよう」と挨拶を返すようになって来た。それからA短期大学の空気は、これまで以上に明るくなり、実に気持ちの良い挨拶が交わされるようになったそうです。
 このことを、私はA短期大学の学長さんからお聞きしました。
 「松風塾を卒業した学生さんは、躾が行き届いて、他の学生の模範になる礼儀正しさを実践してくれています」とも話してくれました。
 素晴らしい話でしょう。皆さんがやがて社会人となって働くどの職場でも、一番大切にされるのは挨拶です。その挨拶が、特に若い人達の中で出来ない人が目立つというのが社会的課題として言われたこともありました。しかし、挨拶は社会人にとって基本的マナーの一つですし、職場、社会の秩序を守っていく基本的マナーでもあります。挨拶には、それほど人の心に響いていく力があるのです。
 先週の「宗教」の授業で、一、二年生に「二学期を振り返っての反省と三学期の決意」を書いてもらいました。その後、このテーマについて教座で話し合い、その内容をグループ毎に発表して貰いました。各学年とも素晴らしい発表でした。
 今日はその中から、二年生のY・Nさんの作文を紹介します。
 
 私はこの二学期に感謝することを学びました。
 きっかけは特設授業の時に鎌倉からいらっしゃって講演してくれた鎌田さんのお話でした。鎌田さんは「お金に感謝する」と言っていました。私はそれを聞いて、その話を知人に話しました。すると、その人もそれを実践していると言っていました。また、もっと詳しい話まで説明してくれて〝感謝〟の意味を深く学びました。
 それから、私も周りに感謝してみようと思い、まずお金に感謝してみました。買い物でお金を払うときに、お金に「ありがとう」と心の中でつぶやくのです。すると、たったそれだけの行為で、自分の心も温かくなりました。さらに凄いことに、その日は自分にとって幸せなことが続きました。知人が「お金に感謝すると、お金が違う形で返ってきたり、自分にとって良い事が起こる」と言っていたのを思い出し、こういうことか!と感動しました。その日からお金以外にも感謝してみようと思い、自分がイライラした時には、その原因にも感謝してみることにしました。すると不思議なことに、普段イライラすることでもイライラしなくなり、その原因も早く解決するのです。
 たまたまだと言われればそれまでかもしれませんが、私は小さなことで喜べることや、感謝することは大切なことだと学びました。三学期もその気持ちを忘れず、感謝の気持ちを持って物事に取り組みたいです。

 良い作文でしょう。感受性の豊かな高校時代に、感謝することの大切さの話を聞いて心を揺り動かされ、自分でもやってみようと思って実際やってみたら、本当に「ありがとう」という感謝の言葉に周りが変化してきたし、自分の心の中にも変化が見られてきたというのです。
 感謝の心は、周りの人の支えや神さまの大きな配剤の中にあるんだという心を芽生えさせているのです。その心は、信仰の原点でもあります。この感謝の心を忘れると、心の中に塵が積もっていき、心が濁っていきます。具体的には、自己中心的な自分になっていきます。相手に対する思いやりや感謝するという心がなくなっていきますので、何でも自分の利益になること、自分に都合のいいことばかりが心の世界を占領していき、最終的には自己破壊の道を歩むことになっていきます。ですから、心の中に積もった宿便を取り除いていく事が大切なのです。宿便が出来ないようにするには、自分を振り返ってみることです。自己を省みる心に、心の宿便を掃除する力が働くのです。一日が終わる就寝前に、今日一日を振り返り、反省してみることは、心の健康を保つ大事な体操だと思って下さい。
 小林正観という潜在能力研究家は『宇宙を貫く「ありがとう」の法則』という事を社会に啓蒙しています。そして、ありがとう、ありがとう、と繰り返して口にしていると健康はおろか、運命までも変化させるというのです。
 「ありがとう、ありがとう、ありがとう」と繰り返し唱えていると、その人は、「ありがとう」の言葉の波動を受けて体内の水や血液を再生させ健康体になるそうです。そして、心・精神も豊かになり、人間関係も円滑になっていく。しかも、「ありがとう」と唱える数がある一定の数を超えた場合、奇跡的な現象が現れ、その人に降り注ぐというのです。
  「ありがとう」を宇宙に発し続けていれば、「ありがとう」と言わざるを得ない現象を次々と招き寄せてくれる。例えば、「ありがとう」の言葉を唱え続けたがん患者からがん細胞が消えたり、医者から失明を宣告された人がいつの間にか目の病が癒えたり、手術が必要と言われていた子供さんの心臓の穴が塞がったりと、各地で色んな奇跡が次々と起きたそうです。
  「ありがとうと自分の心の中で唱えていくと、小さくてもいいから言葉に発していくと、ありがとうと相手が言ってくれる環境が自ずから作られていく。一日に最低でも五千回言えば良い。そうすれば、自分の周りの色んな人との関わりや生きてく上での環境が、ありがとうというような環境に作られていく」と言うのです。
  小林正観氏は、「ありがとうという言葉は、宇宙を貫いている根本的な真理だ」と各地で講演に歩かれ、話しています。ある集会では、こういう話をしました。
  末期がんと診断された人が、小林正観講演会会場で、講演終了後に会場の前に出て来て、「私は生き延びたいから、ありがとうの声を掛けてほしい」と参列者全員に呼び掛けたそうです。会場にいた二百人に一人一分間で百回お願いしたそうです。二百人ですから、合計二万回になりますね。会場の二百人の人達が、一斉に「ありがとう」の言葉をそのがん患者の人に浴びせました。すると、ありがとうを言う皆の目からはやがて涙が溢れ、会場は何とも言えない温かい雰囲気に包まれて行ったそうです。そして三日後の精密検査では、その人の体からがん細胞が消えていた、という報告が届いたそうです。
  健康の秘訣は、「ありがとう」という言葉を日常言って生活することなんですね。周りの環境を良くしていくのも「ありがとう」なんですね。
  いま読ませて貰った生徒の感想文には、鎌田さんの講演で聞いた「お金に感謝する」という話を知人に話したら「私も実践してる」ということを聴いたものだから、Yさんも、生活の中で実践していったら、次のように自分の心の中に変化が起きてきたと、書かれていましたね。もう一度その箇所を読んでみます。
  買い物でお金を払うときに、お金に「ありがとう」と心の中でつぶやいたら、たったそれだけの行為で、自分の心も温かくなりました。さらに凄いことに、その日は自分にとって幸せなことが続きました。
  その日からお金以外にも感謝してみようと思い自分がイライラした時には、その原因にも感謝してみることにしました。すると不思議なことに、普段イライラすることでもイライラしなくなり、その原因も早く解決するのです。
  私は小さなことで喜べることや、感謝することが大切なことだと学びました。
  素晴らしい体験ですね。
  松風塾高校には、素晴らしい感受性がをもった生徒が集まっています。
  自分も健康になり、周りも健康になり、そして世の中も健康になっていくような働きを、皆さん一人一人はこれから実践していく使命があるのですよ。このことを自覚し、日々の生活を感謝の思いを持って送っていきましょう。
  「国の柱地の塩」という建学の精神を掲げている松風塾高校は、今年開校四十周年を迎えました。これからこそ、松風塾高校の本領を発揮していく時代に入ったのです。みなさん一人一人が本物の松風塾生としての力を培い、世を浄める人になってくれることを期待します。
                                      (2014.12.19)